喫茶の今と昔/雪降れば新潟

エトアールおそばんぬ。お店暇だったので店長から昔のエトアールの話を聞く。現在はエトアール・プリュスという名前だが、元々はカフェ・ド・エトアールという名前で43年営業していた。2018年に一度閉店したものの、地域のお客様の熱い声を貰って翌年2019年に現在のエトアール・プリュスとして再オープンしたのだ。カフェ・ド・エトアールがオープンした約40年前というのは、高級専門店がブームになっていて、新潟にもサイフォンでコーヒーを淹れる高級志向のお店が増えていた頃。当時エトアールはコーヒー専門店として、メニューは喫茶メニューのみ。現在のようにパスタやグラタンなどのメニューは無かった。代わりにコーヒーや紅茶のメニューはたくさんあって、コーヒー豆の量り売りもしていたとのこと。現在と決定的に違うのはコーヒーの提供方法。高級志向だった昔は、お客様の席までサイフォンを持って行って淹れていたらしい。接客の質もかなり高かったのだろう。現在お客さんは老若男女問わず、子供連れも多い。今と昔でかなり雰囲気が変わったはず。今じゃ高級志向のコーヒー専門店、喫茶店はほとんど無いだろう。店長は「昔は良い時代だったんだ」と言っていた。時代の流れで変化する喫茶店。今流行っているカフェも、50年経ったら珍しい希少な店になるのだ。

この時代で私はこれからどんな店をやるのか。店をやること自体は完全に趣味として始めるが、あまりにも時代に合わないものは受け入れられない可能性がある。お客が来なかったらやっぱ寂しいし…。自分の美意識を崩さず、かつ人々から必要とされる店をつくりたい。私が今のところやりたいと思っている店は喫茶店なのだが、ただ好きだからやりたいわけではない。世の中には喫茶店のような場所が必要だ、と私は考えるからである。喫茶店に限らずあらゆる店に言えることだが、家でもない、学校or職場でもない第三の場所が誰にだって必要だと思う。私は職場も家も気が休まらない。だから喫茶店に行く。特に好きな店に行く時は本当に心が洗われるような気持ちになる。鬱屈な気分の時なんかは、モヤモヤを一旦リセットできたりする。誰かとお茶とかコーヒーとかを一緒に飲むだけで救われる心があるのだ。飲み物はなんでもいい。なんなら白湯でもいい。喫茶店にいる誰かとお話はしてもしなくてもいい。本を読んだり何か作業をしたり、遊んだり(?)、ただぼーっとしたり、できるだけ自由度の高い場をつくりたい。

 

茶店の話が長くなったので一旦区切ります。今日は関東で雪が積もったそうで。新潟市は雪は降ったものの全く積もっていません。新潟の冬は本当に天気が悪くて、晴れてる日がとても珍しい。先日東京へ遊びに行った日はちょうど雨が降っていてとても寒かった。関東にいるのに天気が悪い&寒いと、なんだか新潟にいるような気分になる。しかし、新潟で快晴だと東京気分!とはならない。不思議。実際冬の新潟で晴れてる日は、あまりの珍しさになんだかソワソワしてしまう。関東の皆様、雪が降って大変でしょうが、ぜひ新潟気分を味わってください。雪降れば新潟。