4回目の高座/歩こうよ

とりあえず近況を。こうやってインターネットに公開してはいるが、あくまで私の日記。大きなことから小さなことまで、書きたいことを自由に書く。つもり。9〜11日は喫茶店でバイト。土日は忙しかったし、月曜はスタッフの欠員が出てバタバタした。他にもとある用事で夜遅くまで外出したり、落語の練習をしたり。そして12日は夜中から朝までカラオケ夜勤。終わってから軽くご飯食べて、新潟市内の自治会館へ。町内会の方向けに落語をする日。落語仲間のむうじいさんという方に誘われて行くことになった。この日の演者はナイチンゲール(私)、山遊亭酔花さん、むうじいさん。演目は、ナイチンゲール「千早振る」、酔花さん「道具屋」、むうじいさん「転失気」。「千早振る」は先週の女医会で初めてやったが、やや消化不良で終わった。女医会に一緒に出演した癲狂兄さんから頂いたアドバイスと、自分の中での反省点を踏まえてまた練習した。そして12日、2回目の「千早振る」。1回目よりも自分的にはすごく上手にできたし、お客さんのウケも良かった。非常に楽しい高座だった。またお呼び頂けたら嬉しいな。

高座に上がるのはこれで4回目となった。2月25日の初高座からまだ2週間ちょっと。すごくないですか?まあたまたま予定が集中していたといえばそうなのだが…。けどその分ものすごおく頑張ったし、確実に大きな経験となった。

ところで、落語仲間のむうじいさんという方は本当にすごい。現在(確か)73歳で、落語を始めたのは去年の夏。これまででもう16回高座に上がったとのこと。たくさんやっている分、とてもお上手だ。元々口達者な方ではあるが、以前は講談(軍記物など、主に歴史にちなんだ話をする)をやっていたそう。すごいのは落語だけじゃなくて、なんといっても本人のパワフルさ。毎日の習慣としてフィットネスセンターで運動をする。これは30年続けているらしい(30じゃなくて40年だったかも?忘れてしまったがどちらにしてもすごいことだ)。それだけではなく、もうとっくに定年退職しているが現在は老人福祉施設でアルバイトをしているそうだ。また、新潟戊辰の会というのに入っていて講演会などもするらしい。相当お忙しい日々を過ごされていることが、本人の話からは窺える。ここまでエネルギーを持った人と一緒にいると、誰しも何かしら刺激を受けてしまうものではないだろうか。私はとりわけ単純な性格をしているので、こういう人からはもろに刺激を受ける。私もやってやらなくちゃ!と。(←何を?)

とはいえ、ここ1ヶ月くらいはたくさん頑張ったので結構くたびれた。心に栄養を!と思って、昨日13日は大好きな喫茶店へ。この喫茶店については2月6日の日記で書いています。https://kanabikan.hatenadiary.com/entry/2024/02/06/230000

2回目の訪問。ママさんもお客さんもとても温かい。コーヒー飲みながら岡田淳さんの『まよなかの魔女の秘密』を読む。素敵な時間が流れる。本当は毎日こうやって喫茶店で本を読んだりしたい。素敵な場所で心を落ち着けると、自分のこんな本音に気づけるものだ。

本を読み終えたところで、近くの私設図書館に本を返却。落語を始めたことを話すと、喜多川泰さんの『おあとがよろしいようで』を薦められた。岡田淳さんの『びりっかすの神さま』と合わせて2冊借りた。返却期限までに読み切れる自信が無くて、最近は古本屋で買っちゃうことのほうが多いんだけど。その結果自宅には未読の本がたぶん100冊はある。あ、師匠からも本借りてるんだった。読書の時間、意識的に増やさないとなあ。

図書館出た後は新潟駅万代口へ。とある偶然から中学時代の陸上部の仲間達と飲むことになったのだ。私以外の5人は全員1学年下、つまり後輩にあたる。1人を除いて他の4人と会うのは中学卒業以来。私は大人になってから同窓会みたいなものに参加したことが無いので、こういうのは初めてで少し緊張した。けどいざ会ってみると、時間はあっという間に過ぎていった。楽しくて。みんな元気そうにしていたし、それぞれの場所で頑張っているようだった。1人は現役の医学部生、他の4人は公務員(この春から就職、も含め)。私も以前は公務員だったし、なぜか私の友人は公務員が多い。そういう星に生まれてきたのかも(適当)。

以前日記でも書いたが、私は昔からの友達って少ない。だからこうやって中学校の部活の後輩(しかも5人も!)と再会できるなんて、まさか夢にも思っていなかったのだ。非常に嬉しかった。ちなみに私の陸上部の同期は6人いるのだけど、私はほとんどの人の連絡先を知らないし、ずっと会ってもいない。なのに1学年下の後輩とはこうして仲良くできている。不思議だけど、これが私らしさなのかもしれないとも思う。思えば私の友達は同い年はすごく少なくて、年上と年下が圧倒的に多い。

そうそう、面白かったのは「最近走ってる?」という会話。陸上部みたいな会話だなあと思った。ああそうだ、みんな陸上部だったのだ。私も含め。私は中学卒業後は陸上部に入らなかったし、走りに行くことも無くなった。けど、このみんなと走るのはきっと楽しいんだろうなあ。ちなみに私は昔から運動音痴だから、歩く・走るくらいしかまともに運動ができない。数ある運動部の中でも陸上部を選んだのはそのためでもある。競技かるたができてるのは奇跡に近い。散歩が好きだから歩くのは全然苦じゃないんだけど、走るのはもうずっとやってない。なんだろう、自分の中で「走る」っていう行為は「走る」ことだけに目的が限定されるような感じがあるのだ。私は運動が苦手だから「走る」こと、それのみだと楽しくない。でも誰かと一緒に走るのは好き。誰かと一緒に何かをやるのが好きなのだろう。こんなことをつらつらと書いていたら、少し走りたい気分になってきた。お供してくださる方、ゆるく募集してます。

みんなで飲んで解散、かと思いきや一人を除いてみんなで歩いて一緒に帰ることに。みんなは実家住みなので家が近いのだ。私も遠回りではあるが、みんなの家を経由して帰れるので一緒に歩くことにした。とはいっても、みんなの家のある地域(中学校区)は新潟駅からはやや離れている。徒歩50分くらいのはず。運動をたくさんしている(していた)人達だから、こんな距離どうってことないのだろう。それにみんなでおしゃべりしてたらあっという間だしね。でも大人になってこれだけの距離を一緒に歩ける人っていうのは、実は希少なんじゃないだろうか。歩くのが好きな私はありがたいなって思う。みんな、一緒に歩こうよ。

第1回女医会

前回の更新から間があいてしまった。この一週間何をしていたかというと、2日〜5日は仕事したりかるたの練習行ったりしつつ、女医会に向けて落語を猛スピードで覚えて練習。5日女医会。6日は一日中仕事。7日、8日は仕事が休みで久しぶりに時間ができたので、姉と遊んだり喫茶店行ったりラジオ・podcast聴いたり。

5日の第1回女医会は、お越しくださった皆様ありがとうございました。私は古典落語「千早振る」を、女医師匠と癲狂兄さんはそれぞれ新作落語(下ネタ)をやった。お客さんの中には2月25日の藪医舎一門会に来てくださった方も。ありがたいです。初舞台である藪医舎一門会では新作落語「500円玉貯金男」をやったのだけど、次は古典落語をやってみたいと思い「千早振る」という噺を選んだ。「千早振る」とは百人一首の歌。中学生の頃にアニメ「ちはやふる」を観て、後に競技かるたを始めた。だから私にとって百人一首はとても馴染み深く、初めて挑戦する古典落語は「千早振る」だなと即決した。この「千早振る」という噺は、物知りのご隠居さんの元へ八五郎がやってきて、「千早振る神代も聞かず竜田川から紅に水くくるとは」という歌の意味を尋ねる。しかしご隠居はこの歌の意味を知らない。知ったかぶりのご隠居は即興で千早振るの珍解釈を繰り広げる。以上がおおまかなあらすじ。面白いのでぜひYouTubeとかで調べて聞いてみてください。私はこの噺を覚えるために、まずYouTubeやらApple Musicやらでいろんな落語家の「千早振る」を聴き、個人的に一番面白い&話が分かりやすいと思った人の音源を元に文字起こしをして台本を作成した。5500字位で話すと20分位。前にやった「500円玉貯金男」の約2倍の量!しかし取り掛かりが遅かったせいで、暗記も練習も十分にできないまま本番を迎えた。当然、本番は緊張もするので練習通りにいかず何ヶ所か上手くいかないところがあった。噛み噛みナイチンゲール。終わった後、最古参お客(私が藪医舎ナイチンゲールとして生まれた日に偶然会っていて、初舞台も見に来てくれた)に「ナイチンゲール緊張してたね、表情が硬かった」という感想をいただいた。ガチガチナイチンゲール。そうです、めちゃくちゃに緊張していました。これは初舞台の時とはまた違った緊張感で、準備不足による心の不安が大きかったためであろう。とにかく失敗しないように最後まで話し切らなきゃ、と思って心の余裕0だった。消化不良な出来ではあったが、お客さんもウケていたしお褒めの言葉も頂けた。未完成なままでも世に出すのは決して無駄なことでは無いなあと今回思った。本番にしか起こらないこともあるし。とにかくいろいろな収穫(学び、気づき)を得られた。

自分の出番が終わった後、女医師匠と癲狂兄さんの高座を見て「さすがだなあ」と思った。二人とも落ち着いているし、なにより「余裕」を感じさせられる。演者に「余裕」があると、見る側は安心して楽しめるのだ。今回の私の高座はド緊張丸出しみたいなものだったから、お客さんはもしかしたら内心ハラハラしていたかもしれない。でも私はこれから伸び代しか無い!ので、初期のひよっ子ナイチンゲールを見られたお客さんはレアですね。今後の成長、活躍にどうぞご期待くださいませ。

今回気づいたことの1つとして、自分は演じるのが好きなのだなあということ。「千早振る」でも千早太夫と神代太夫のセリフを喋るシーンがとりわけ楽しかった。「500円玉貯金男」も、面食いな女とちょっと癖のある男を演じ分けるのが楽しかった。しばらくは落語を頑張るつもりだけど、そのうち劇とかもやってみたいな。

7日一緒に遊んだ姉に落語を始めたことを話すとびっくりしてた(こうやって人をびっくりさせるの楽しい)。「小さい頃のみゆさん(本名)からは考えられない」と言われた。姉とは10個歳が離れてるのだが、子供の頃の私は随分大人しい子供だったようだ。今でも大人しいほうだと自分では思ってるんだけどな…。静かにとち狂ってるだけなのだ。でも狂い始めたのは大人になってからかな?子供の頃は別段面白いこともしてなかったし、ごく真面目に過ごしていたと思う。だんだん大人になっていくにつれ、外の世界に触れ、そこで出会う狂人(←くるうど、と読む)達から刺激を受けて今の自分が形成されていった。これまでの人生で、今の自分が一番面白いという自負がある。が、油断してはならない。気を抜いているときっとあっという間につまらない人間になってしまう。だからいろんなことを地道にやっていきます。

あ、そうそう、女医会は毎月第一火曜日の夜、毎日元日でやっていく予定です!今回来れなかった人もまた来月あるからね^_^ 次回は4月2日!楽しみだね、私も楽しみだよ。

わたしが住む世界は スピードが速すぎる

3月かあ。2月はとてつもないスピードで時が流れたような気がする。仕事が普段より忙しかったってのもあるんだけど、なにより落語を始めたことが大きい。毎日ヘトヘトナイチンゲール…(←最近、◯◯ナイチンゲールって言うのにハマってる)だったが、非常に充実していた。あ、この日記を定期的に更新するようになったことも忙しさの一つ。私の日記を読んでる人達が、この文量を多いと思うか少ないと思うかは分からないんだけど、だいたい1つの記事につき1〜2時間くらいかけて執筆している。眠い時とかはやや雑に書き走らせたりすることもあるが、基本的には慎重に言葉を選び、一歩一歩踏みしめるような感覚で書いている。なのでまあまあ時間がかかる。

言葉は便利であるが、言葉を使うのは怖いなという感覚がなんとなくある。ある友達は「言葉は言葉として発した瞬間、それは私の言葉ではなくなる」というようなことを言っていた。言葉を発すれば、誰かがそれを受け取る。それをどのように受け取るかは人それぞれ、相手次第なのだ。自分の発する言葉(思考)が、100%正しく相手に伝わることなど無いと思う。けど、可能な限り「ずれ」が大きくならないようにしたいし、誰かを傷つけないようにしたいとも思っている。尊敬する先生は「人を傷つけない言論などない」と仰っていた(らしい、私が直接聞いたわけではない)。だから言葉を使うことには慎重にならざるをえない。私と直接話したことのある人ならきっと分かると思うんだけど、私は喋るのがけっこうゆっくりなほうだ。どちらかといえば口数も少ないほうだと思う。「もっと速く喋って!」とか「もっとたくさん喋って!」とかもし言われたら(誰も言わんだろ)、けっこう難しいなあと思う。特に人と会話する時は、まず頭の中でどんなことを話すか考える。次にこういう場合はこの言葉を使うのが妥当かなと考える。自分の中でGOサインを出せたらやっと言葉を発する。段階を踏んで言葉を発するので、そりゃ時間がかかる。複数人と会話してる時なんかはだいたい、みんなの会話のスピードについていけなくて尚更喋れなくなる。複数人とのおしゃべりはどうしても苦手意識を持ってしまう。

喋ることに比べると、書くことは幾分気が楽である。できる限り推敲を重ねてから文字にするので、自分の中での安心感が違う。人との会話中だとそんな悠長に時間をかけてはいられない。書くだけなら誰も急かさない。

昨日2/29は毎日元日に行ったのだが、初めてお会いするお客さんが3人いて、結構長い時間みんなでいろいろお話した。初対面の人を含む複数人との会話、緊張した。脳みそをたくさん使ったのでちょいと疲れた。でも面白い話をたくさん聞けた。例えば、和歌山出身の大学4年生の女の子は「こっち(新潟)の人は喋るのがゆっくりでびっくりした」と。東と西では喋るスピードが全然違うらしい。私も確かに、その女の子は喋るスピードが速いな〜と感じた。「新潟に4年住んだおかげで、これでも遅くなったんです」と本人は言っていたが。私は新潟に住んでいる期間が一番長く(通算16年くらい?)、あとは岩手に1年、東京に4年、千葉に3年。千葉に関しては出生〜3歳までなので記憶ないけど。つまり東日本にしか住んだ経験が無い。西の方は旅行もなかなか行かないため、東と西の違いというのをあまり知らないのだ。それにしても地域によって喋るスピードが違うのは、一体どういうわけなのだろうか。こういうの考えるの楽しい。こういう分野の勉強したいな。

そういえば、昨日毎日元日(ややこしい)に居合わせたうちの1人が女医師匠に弟子入りすることになった。藪医舎一門7人目。最近入門者がパタパタと増えていてすごい。名は藪医舎魚之眼。それにしても女医師匠のネーミングセンスはさすがである。魚之眼は今大学4年生でこの春卒業、4月からは北海道に行く。遠距離弟子。またまた面白いことになってきた。

ナイチンゲール、早くも2回目の高座へ

2/25(日)の藪医舎一門会を終えやっと一息…つく間もなく、27(火)は町内会へ落語をしに行った。ちなみに25(日)は昼から17時まで喫茶店でバイトし、19時から一門会、24時から朝6時半までカラオケでバイト。26(月)も20時から朝6時までバイト、ろくに寝ず27(火)12時に自治会館へ。いやーなかなかにハードだった。ヘトヘトナイチンゲール自治会館でお昼ご飯にカレーをご馳走になり、14時から高座。集まっているのはほぼ60代↑と思われる町内会の皆様。30人近くいただろうか。この日もとても緊張した。でも一門会の時ほどじゃなかったかな?演目は一門会の時と同じく『500円玉貯金男』。マッチングアプリを使った話だから、理解してもらえるか、受け入れてもらえるかがかなり不安だった。しかしやってみたら結構ウケた。皆さん最後まで真剣に聞いてくださって、よく笑ってくれた。本当にありがたい。この日は私の後に、軟亭骨太さん、できた亭むうじいさんが高座に上がった。立川志の輔の『みどりの窓口』、古典落語の『金明竹』、どちらも初めて聞いたがとても面白かった。落語は聞くのも自分でやるのも両方楽しい。

なんとびっくりだが、東京から私の友達(店師、新潟大好き、30代男性)がわざわざ落語を聞きに来てくれた。彼はきゅんパスを使って日帰り旅で来ていて、元々は別の駅で降りるつもりが寝過ごして終点の新潟まで来てしまったようだ。私が26(月)夜にXで「明日は町内会で落語やる」とつぶやいたら駆けつけてくれた。フットワークの軽さもさる事ながら、居住地でもない得体の知れない町内会イベに足を運ぶことがすごい。新潟市西区の小新第二集会所という場所でやったのだが、ここは駅からまあまあ離れているし、外観は完全に民家。「よく来たなあ」と感心せずにはいられない。こういうところ本当に尊敬します。そして来てくれて本当にありがとう。落語終わってから、小針駅近くの喫茶店で合流。感想を聞かせてもらいつつ、彼も落語をやりたいようなのでいろいろおしゃべりした。彼の高座名を一緒に考えたり、私がどうやって新作落語を書いたのかを話したり(←先輩っぽい!)。今度、東京上野の彼のお店で一緒に落語やろうねと約束した。藪医舎ナイチンゲール 東京出張編 楽しみだなー。私、お誘いいただければどこでも落語やるつもりですのでご依頼お待ちしてます!^_^

あ、そうそう、3/5(火)は19時から女医会やるよ!会場は毎日元日。私は古典落語やろっかなー。あと一週間だ!これから覚えて練習する!やばい!けどがんばる!気軽に遊びに来てね!

藪医舎一門会

2/25(日)の藪医舎一門会が無事終了。お越しくださった皆様、本当にありがとうございました!藪医舎ナイチンゲール初舞台でした。

開演前に少し時間あったのでお客さん(初対面)といろいろお話した。ありがたいことに「今日めっちゃ楽しみにしてましたよ!」「ナイチンゲール、期待してます」というお声を頂いて。去年8月に1回目の藪医舎一門会をやられたもぐり大師匠と女医師匠のお二人あっての、このお言葉。藪医舎一門への期待度の高さを実感した。あとは「落語は元々やってたんですか?」という質問に対して「完全業界未経験です!」とギャグのつもりで答えたんだけど、期待してたツッコミは貰えなかった。まあ初対面だしね。そもそもギャグって気づかれてなかった可能性もあるか。そうこうしていたらあっという間に開演時間に。トップバッターのナイチンゲール、ド緊張でした。出囃子として筋肉少女帯の『踊るダメ人間』を流しながら、「(私の出番)早く終われ早く終われ」と考えてしまうほどに。そして高座に上がって話し始めてからは、とにかく最後まで話し切ることに夢中だった。やったのは『500円玉貯金男』という、マッチングアプリで出会った男女の噺。私の実体験をもとにした新作落語。ほとんどミスもなく堂々とできたし、所々ウケてて嬉しかった。

いやしかし、この噺を書き上げるまでにかなり苦戦した。そもそも女医師匠に弟子入りしたのが1/31。わずか25日ばかりで新作落語を書き上げ、練習して2/25を迎えたのだ。枕でも話したけど、私は今まで落語は全然聞いたことがなかった。だからまずは落語をいろいろ聞くことから始めて、それからネタを考えた。正直、上手い下手よりもネタ選びのほうが重要だと直感した。四ツ目長屋(夜行性の古本屋)という場所でどんな噺ならウケるのか?私が何をやったら面白いか?考えた結果、「ヤバい男ネタ」に決めた。あ、あと付け加えると古典落語をやるという選択肢は無かった。新作落語をやったほうがより面白いだろう、とこれも直感した。新作落語をやる、と迷わず決めたのは、きっと私の周りの人の影響が大きい。例えば趣味でギターをやっている友人2人は以前某所でライブをやったのだが、その日まで誰にも何も言わずにオリジナル曲を用意(2人とも初の作詞作曲だったはず)し見事披露していた。それがもう本当にかっこよく素敵で、非常に感銘を受けた。既存のものではなく、オリジナルのものを作って自分を表現する。私もそういうことをやりたい!とずっとずっと思っていたのだ。だから新作落語をやることにした。繰り返すが全くの落語初心者な私が、短期間で新作落語をやろうなんて相当大変だろうなと冷静に考えれば分かる。でもやりたいという気持ちがあまりにも強かったので仕方がない。こういうところ頑固なのだ。当初の予定では、本番の2週間前には噺を書き上げ、2週間は練習にあてるつもりだった。しかしそう上手くいかないもんで。おおまかな話の流れは早い段階で作れたのだが、オチが全然思いつかなくて大変だった。Googleで「落語 オチ 種類」とか調べたりしつつ(真面目!)、毎日必死に考えた。結局噺を全部書き上げたのは2/20。本番5日前である。練習期間は4日。その間、バイトしたり旅行行ったりして時間は全然無かったのだがなんとか間に合わせた。我ながら本当に偉いと思います。

そして当日は袴を着た。着物は一着も持っていなかったのでこの日のために購入した。あえて袴を選んだのは、競技かるたでも使えるから。競技かるたの服装は大抵Tシャツとジャージで良いのだが、ごく一部の大会では袴の着用が義務付けられている。今まで袴着用の大会に出たことが無かったので持っていなかったのだが、これは良い機会だと思い購入することにした。しかしこれも想像以上に難儀した。袴を自分で着付けたことが無かったため着方が何も分からず、ネットで調べて見よう見まねで着付けの練習をした。初めての着付けでは2時間かかった。練習して練習して、今では15分ほどで着れるようになった。それでもまだまだ下手だなあと思うので、もっと練習して綺麗に着れるようになりたい。

藪医舎一門会、お客さんは15人ほど集まっただろうか?店内がギュウギュウになるほどたくさんの人が来てくださって本当にありがたかった。店内から溢れるほど人が集まったらサイドステージを、とも思っていたがその必要はなく、演者5人もずっと中にいることができた。おかげで自分以外の4人の落語もしっかり聞くことができた。落語と言えど、5人それぞれジャンルも魅せ方も違っていて非常に良いバランスだったなと思う。師匠、兄さん、姉さん方の姿を見てとても刺激を受けた。今回の私の落語は、置きに行った、というか、万人受けするような噺に落ち着いた。まあ初回の割によく頑張ったとは自己評価しておりますが!今後はなんかこう、もっと尖った、というか攻めた感じのやつもやりたいなー。わくわく。

そうだ、先にも書いたが、本番はとにかく話し切ることで精一杯だったので、どういうところでウケてたとかがいまいち記憶に残ってない。見てくださった方、ぜひ感想をお聞かせください。直接でも、コメントでも、SNSのDMでもなんでも。Xで #藪医舎ナイチンゲール でつぶやくのもアリ!(誰がやるねん、ハハッ)

藪医舎一門会楽しかった。見てくださった方は、藪医舎ナイチンゲール最古参(!)ですね。私これからもたくさん落語やっていきたいと思ってるので、ぜひご期待くださいませ。

叫べ!箱の中

2/23ー24は14歳の頃からの親友と月岡温泉へ。彼女との付き合いが一番古くて長い。14歳以前に出会った友達はもう誰とも会わないし連絡すら取らなくなった。

学校内で誰かとすごく仲良くなることは私にとってかなり珍しいこと。学生時代は本っ当に友達が少なかった。友達が増え始めたのって高校生になって競技かるたを始めてから。自分と同世代の高校生や大学生、20代の社会人の友達ができた。競技かるたは高校の部活ではなかったので、完全に個人的な課外活動。同じ高校の人(同級生、先輩、後輩、先生)とすごく仲良くなることはなかった。それに対して、かるたを通して出会った友達とは今も関係が続いている。お互いかるたをしていなくても。

小学校入学から専門学校卒業までの14年間、学校という場所でたくさんの人に出会ったけど、その中で今でも仲良しの人が2人しかいない。少ないなーと思う。寂しいなーとも思う。でも今後、学生時代の頃の友達とかクラスメイトに再会して、また仲良くなるっていうことが無いとは限らない。ひょんなことから人と人は仲良くなったりするもんだ。

大人になった今は昔に比べると友達が増えたなと思う。大人になって新しくできた友達との出会いは9割方、職場以外の「外」。何かを求めて外へ外へと向かって歩いていった場所で、素敵な人達に出会った。社会人一年目の時なんかは職場の同期と遊んだこともあったけど、やっぱりすごく仲良くなるみたいなことは起こらなくて、次第に会わなくなっていった。私は昔から箱に詰められてその中で人と仲良くするっていうのが不得手だ。箱っていうのは学校、クラス、部活、職場など。高校生の時かるたの友達ができたと先に書いたが、かるたも学校外、つまり箱の外での出来事。

一緒に温泉に行った親友とは同じ中学校で出会ったのだが、クラスも部活もバラバラだった。ちなみに彼女は剣道部、私は陸上部。陸上部は剣道場の入口前に自分達の荷物を置かせてもらっていた関係で、剣道部の人達とよく顔を合わせていたし、たまにおしゃべりもしていた。彼女とは最初そうやって仲良くなった(と思う)。同じ学校ではあったけど、なんとなく「箱の外」で仲良くなったなあという感覚がある。

箱の中でなかなか友達ができない。箱の中ってある程度警戒しなきゃというか、気を張っていないといけない気がする。例えば、ある特定の人に攻撃されて箱の中に居づらくなるかもしれないとか。あんまりそういうことは考えたくないのだけど。小学3年生の頃、転校先の学校で馴染めなくて女子数人からいじめられたことがあるんだけど、それが実はトラウマになってるんだろうか。過去の出来事に対して、「昔のことだしもう気にしてない、大丈夫」って自分では思っていても、ある時トラウマとなって蘇ることって割とある。この前の1/1の地震もそうだった。本当に怖くて仕方がなくて、次の日は仕事にも行けなかった。私ってこんなに地震ダメだったっけ?あ、東日本大震災(当時岩手県盛岡市に住んでいた)が実はトラウマになっているのかも、とそこで初めて思った。

話が逸れてしまったが、箱の中で友達ができないという話。箱とは集団である。その集団に馴染めなければ追放される(極論)。だから常に自分の身を守る体勢でいなきゃいけない。保守的になればどんどん八方美人になる上、自己開示ができなくなる。素顔を隠して仮面を被り、ピエロになる。ピエロでいることに慣れていくと、仮面は分厚くなり、皮膚にまとわりつき、好きな時に仮面を外せなくなる。

箱の中で嫌われるのが怖いのだ。箱の中で誰かが人の噂話をしているだけで怯えてしまう。嫌われることを過剰に怖がりすぎているような気は、する。もう少し肩の力を抜いて生きたいものだ。本当は友達がたくさん欲しい。だって友達との時間はキラキラしていて宝物のようなものだから!

ついダラダラと書いてしまったがオチがない。なにか思いついたらまた後日書くかも?それにしても月岡温泉とても良かった。私は温泉に行ったことって片手で数えられるほどしかなくて、温泉旅館に宿泊したのは人生初だった。今回いろんなことが新鮮だった。例えば、朝ごはんはごはんのお供が何種類も出るんだなーとか。これは私の知らなかったこと。こういう一種の文化みたいなことを、自分で体験して知れるのはとても楽しい。だから今回温泉に行こうって誘ってくれた親友にはとても感謝。いろんなことしてみたいから、みんなぜひいろいろ誘ってください^_^

クルクルまわる毎日メリーゴーランド

前の記事の最後に「多少無理もする」と書いたら心配してくださった方がいるので、ちょいと補足する。眠気と闘いながらだらだらだら〜と書いてたので表現が雑になってしまったなあ、と後から少し反省したのだけど、「無理をする」というよりは実際は「ちょっと大変だけどがんばる」くらいの感覚です。「がんばらなきゃ(義務)」じゃなくて「がんばりたいなあ(願望)」。落語を始めてからいろんな予定が次々に決まったり、練習したり、なかなかに忙しい。だけどそれを苦に感じているわけではなく、夢中になって楽しんでいます。上手くいかなくて苦労することは勿論あるのだけど、それをつらいとは思わない。自分がやりたいと思って始めたことだから。それに私今めちゃくちゃ元気です!!心身ともに。しかしあまり体力があるほうではないので、それこそ「無理」はしすぎないように気をつけたいと思っています。やりたいと思っても途中でバテちゃって、中途半端になったり休まざるを得なくなったりと、過去の悔しい経験もある。だからやりたいことやりつつ、同時に体力もつけていきたいなーって思ってるんだけど。バランスを見極めてやらねば。

そういえば今日はお友達がエトアールに来てくれた。前にも書いたけど、友達が自分のバイト先に遊びに来てくれるのめちゃくちゃ嬉しい。だからみんな遠慮せずに来てね!

落語をする予定がまた決まった。お誘い本当にありがたい(まだデビューすらしてないのに…)。今のところ決まってるのは、2/25(日)藪医舎一門会@四ツ目長屋、2/27(火)@自治会館、3/5(火)女医会@毎日元日、3/12(火)@自治会館、3/13(火)@自治会館。ちなみに私の落語聞きたいお友達は藪医舎一門会か女医会に来るのがおすすめです。自治会館でやるやつはどうやら町内会の方向けっぽいので…。どうしても!という方は私に事前に連絡してくれればご招待できるかも。女医会は女医師匠と一緒に毎月第一火曜日夜にやる予定だよ^_^  それにしても落語の予定が盛り沢山だー!忙しくて目が回りそう。さあ、クルクルまわる毎日メリーゴーランド〜♪(小鳥桃葉『毎日がメリーゴーランド』)